Jan.20 Washington

ジョニーとアロンザ、ブラック・キャットでのサウンドチェックにて:ジョニーとアロンザ

ジョニー:今日はどこか出掛けたの?
アロンザ:うん。出掛けたよ。
ジョニー:どこ行ったの?
アロンザ:散歩。
ジョニー:何か面白いことあった?
アロンザ:ええと、公園でね・・・男の人が壁際にいてね、その前にもう一人の男の人が跪いててね・・・
ジョニー:うんうん。いいもの見たね。

ブラック・キャットは最高のショウのひとつだ。バンドもクルーも、お客さんもバッチリだった。

Jan.21 New York

ゲット・オン・マイ・トレイン。ワシントンからニューヨークまでは列車の旅だ。ジョニーとザックはソフト・マシーンとマジック・サムなど聴きながら、バンドは雪の降る街から晴れ渡った空へ。下車し、ふと気づくと、バンドとレビは500人ものニューヨーク警察学校の卒業生のど真ん中に居り、新しい銃を備えた笑顔の群衆の中を通り抜ける事が出来なかった。ザックは、7人の新米警官とそれぞれ一緒に写真を撮った。ジェイムズがそれを観ながら云った。”かっこよく見えるねえ~”。アロンザはこの時点で消え、サウンドチェックまで姿が見えなかった。”まさか・・・”ジョニーは云った。”バンドを辞めて奇妙なカルト教団に入信してないだろうなあ・・・だいじょぶかなあ”。

マーのボールルームズ:ツアーが順調にいけば、ジョニーはザ・ボワリー・ボールルームでプレイしたいと云っていた。”セバスチャン・スタインバーグとリサ・ジェマーノがニール・フィンと演っている時に観に行ったんだ。そこで、演奏出来ちゃった”。ザ・ボワリー・ボールルームは1929年に建てられ、かつては靴屋であったという。”あ~、解る解る!”。実は超能力者なジョニー、履き物とボールルームでピンと来たらしい。”ぴったりな関係だもん・・・”。

メロトロンもまたボワリーで最高のショウをした。ヒーラーズはステージ袖に立ち、それを観ていた。メロトロンは新曲を2曲ほど演奏し、場内の雰囲気によってアレンジを変え、皆、本当に魅せられてしまっていた。ジョニーとバンドは、つい先刻バックステージ・ドラマがあったばかりだった。ヒーラーズはレターマンのショウにオファーされていたが、それは次のギグであるマーキュリー・ラウンジと被ってしまったのだ。彼らはレターマンよりもマーキュリー・ラウンジでのショウを行う事を決め、この事は2-3人の気持ちを暗くしてしまった。しかし策士レビは、ついに解決法を見つけた。”我々の機材を持ち込むんだ。ラダー(・トマチェフスキー*モニターマン)がマーキュリー用に機材やワイヤー、スピーカーをソート出来るはずだ。やれるよ!”。彼は全てを解っていた。

ボールルームのショウも悪くなかった。NYのオーディエンスは最初の2曲ほどは”へ~こんなもん?”という感じでうなづいていたが、3曲目くらいから”なに、これは?!・・・面白い・・・”となって、”You Are The Magic”に至っては”イカス!気に入った!!”的に変化し、場内の雰囲気はいい方に向かって行った。

ギグの後、パティ・スミス・グループのレニー・ケイが挨拶をしに訪れた。ジム・フィータスも居り、ジョニーが彼に会うのはマット・ジョンソンとの”Slow Emotion Replay”ビデオ撮影以来だった。メロトロンがベージュのスーツと完璧にマッチしたシャツとタイで現れた。彼はオンステージではカジュアルに、オフステージでは超フォーマルで行くのだ。天才・・・。

Q: バンドの曲を知らない連中の前で演奏するのはへんな気分?
ジョニー:だと思ったんだけど、違ったね。レコードが出ていてもいなくても最高の気分さ。僕を知っている皆は、確かな期待を持ってはいるけど変わろうとしている僕の事も解ってくれている。そう信じているよ。
Q:アメリカのオーディエンスは気に入った?
ジョニー:好きだね。彼らがショウを楽しもうとして来る事は明白だよ。ヨーロッパのいくつかの街のお客さんの方がよっぽど冷たい感じだよ。同じ音楽なのに、楽しむ事を躊躇したり、何か冷めてたりするなんて恥ずかしい事だよ。本当はそうじゃないはずなのに。
Q:デヴィッド・レターマンショウはどうだった?
ジョニー:いやあ、うまく演れたよ!

”揺れる上っ張り”:レターマンショウのセットは極寒だった。バンドはコートを着たままパフォームした。”それはD&Gだったよ”。レターマンの音楽監督でバンドリーダーだったポール・シェーファーは、ヒーラーズを”スウィンギング・アウトフィット”と呼び、ジョニーを非常にウケさせた。ザックはアメリカを意識したビッグなスタイルを見せつけ、ジェイムズはスタジオをうろうろしたりギターをチェックしたり、その他はマーキューリー・ラウンジのショウで頭がいっぱいになったり。

ジョニー:マーキュリー・ラウンジはいいギターの音が出なくてキツかったね。お客さんはそれでも盛り上がっていたけども。・・・まあそんな所かな。

その夜遅く、バンドはスターフードで”サヨナラNYディナー・パーティー”を友だちやクルーの為に開いた。クルーたちは沢山の飲み物とラスト48時間の素晴らしさへの称賛で迎えられた。ジェイムズは殆どの時間を近代科学の発見とウクライナの女優の説明で費やし、アロンザはジョニーとスペースホッグの話あたりからたむろし始める。ジョニーとミック・ロックは再び”そのもの”の形而上学的実態や”もう一方のもの”のイメージや危険、ファインライン、そして愛、などについて議論し、勿論ミックはジョニーを撮影した。最高の夜は終わり、皆、NYでの時間に良いさようならを云う事が出来た。さあ、ボストンへ出発だ。

ジョニー:ファンカデリックいく?ザック。
ザック:ホークウィンドだね。それから、ファンカデリック。
ジョニー:バスの前方からファンカデリックを爆音で、後方からはホークウィンドを爆音で同時に?
ザック:カムペキ・・・

Q:ヒーラーズでプレイする事で得たものってなに?
ザック:(ふたつ似た感覚で)自由と調和。
Q:ヒーラーズが他と違う点はどこ?
ザック:ツーバス。
Q:幾人かのジャーナリストが作り上げた”マンチェスター・サイケデリック”の比較についてどう思う?
ザック:僕たちは踊れるロックバンドだよ。
Q:ツアーで一番良いことってなに?
ザック:皆と演奏すること。 

>>Jan.24-27