Jan.19 Washington

バンドがワシントンに到着したのは午前7時だった。バス内では、ギル・エバンス、スクエアプッシャー、ファウスト、マディ・ウォーターズやデズモンド・デッカーなどが大音量で鳴らされ、窓が振動していた。さて、ザックが見つけてきたホテルだが、冒険家のオーナーがかき集めたアメリカ中のレトログッズ一杯の、まるでビクトリアン・ドールズ・ハウスのような不気味ホテルだった。宿泊客はバンドとレビだけ・・・目を覚ますと、みんな迷っていた。ここは全くタイムトリップしたようなラビリンスで、ロード中であることやら方向感覚やら全て狂わされ・・・キッチンは4階にあるが綺麗に片付けられ、これまた50年代風ダイナーのしつらえなのに2025年をイメージさせられた。

ジェイムズ、アロンザとジョニーは街をうろつく事にし、レビは地下にこもってパソコンのセッティング。

*ザックの休日*

ひとり、ザックはこのドール・ハウスに残って探検する事に決めました。彼は煙突に目をつけ、そこから空を見ようと思いました。スペース・エイジ・ダイナー(先述したキッチン)のドアは閉まっており、誰も彼に気付きません。他の連中が街に行っている間、彼は煙突から動けず泥棒っぽい自分にヒャーッハッハッハ!と、笑っておりました。ふと我に返ると煙突内はマイナス12度!ザックは階段に飛ぼうか、側面を駆け上がろうか算段しておりました。ますますドロボーっぽいザック。もうどうなろうと、苦境にたたされた彼の精神状態はもうパラノイアさながらです。パトカーが通り過ぎ、ザックは斜めになった屋根に体を這わせます。凍えるスパイダーマンこうなったらひっそりと地下に降りるしかありません。ザックは少しずつ、注意深く、古めかしい煙突の屋根を下ってゆきます。また警察のくるまが通り過ぎ、ザックは発砲を待ち望んでいました。その時、ようやっと地下室に辿り着きましたが、寒さに凍え、彼はドアを開ける事が出来ません。(実は鍵が閉まっておったのです!)こうなりゃ窓から入るしかねえーー!!・・・しかし、そうする事で彼はまたクソッタレな煙突の中、ドロボー猫に逆戻りしてしまいます。仕方なく窓を抜けたら、誰ぞのアパートに居る事に気づきました。全く持って失敗ですが、ザックはこの事態に大笑い、しかしそのうち、本当に脱出が困難である状況に気づき、えらく落ち込んできました。ドアはロックされていますし、窓を破る事が出来たとしても凍死してしまうのがオチです。ですが、このパニック状態のなかザックはふと閃きました。”そうだ、ケータイでジョニーに電話しよう!”ビックリ奇跡的に、ジョニーはケータイを持って出ていました。ジョニーはまずジェイムズにレビと連絡を取らせました。参謀隊長のレビはまるでウージーの訓練を受けたFBIさながらに、開け放たれた4階のスペースダイナーの窓を怪しみつつ踏み込まんばかりでした。隊長の命により、ザックはラリったスパイダーマンのように建物の隙間めがけてにダイブ、まっすぐキッチンに着くことが出来たのです。

”いや~オソロしかったわ”。

>>Jan.20-21