JOHNNY MARR'S TOP10 GUITAR PLAYERS (UNCUT/NOV.2004)
Interviewer: Simon Goddard / Translated: MAKIO

NO.1 James Williamson
Johnny Picks; Iggy & Stooges "Raw Power"(1972) / Iggy Pop & James Williamson "Kill City"

もし、お気に入りギター・プレイヤーをどうしても一人選べと云うならジェイムズ・ウィリアムスンだね。僕が"ロウ・パワー"のLPを手に入れたのは15歳の時だったけど、目からウロコだったしまさに僕の求めていたものだったんだ。ワルっぽいんだけど、キース・リチャーズに魂を乗っ取られたジミー・ペイジって感じだよ。ただひとつ違うのはそれがアメリカ、デトロイトのものだったって事だけさ。彼のリフは一撃必殺、だけどアコースティック演奏はとても美しく且つ不気味だった。初期ストゥージズにはいくつかの時期があって、アシェトン兄弟含む”ザ・ストゥージズ&ファンハウス”なんかも挙げられるけど、なんたって当時大言壮語が売りで狂熱的でミステリアスだったイギーに情感的なものを与えたのはウィリアムスンだよ。以前にも話したと思うけど、実際どんな影響をイギー、というかジェイムズ・ウィリアムスンがスミスに及ぼした”ロウ・パワー”な影響っていうと、”ハンド・イン・グローブ”のリフなんだ。明らかに”ギミー・デンジャー”の冒頭部分なんだよね。

NO.2 Bert Jansch
Johnny Picks; "Bert Jansch"(1965) / "Jack Orion"(1966) / Pentangle "Sweet Child"(1968)

最初に聴いたのは、友だちが”凄いフォーク・グループ見つけたよ!”と云って来た時だった。彼がペンタングルで弾く”Train Song”はそりゃもうイッてしまっていて、これがフォーク?!嘘だろ?と思ったよ。バートは当時、ギターはきちんとアコースティックで聴かせるプレイが出来なきゃだめだっていう、新しいスタンダードを僕に教えてくれたのさ。バート・ヤンシュなくして60〜70年代におけるシーンの発展は無かったんじゃないかな。実際、ニック・ドレイク、ピート・タウンシェンド、ドノヴァン、ビートルズ、それにジミー・ペイジやニール・ヤングなんかに彼の影響を聴くことが出来るし、そうとは知らぬ間に一部彼の影響を受けているプレイヤーたちも居る。僕自身ここ数年、彼とアルバムやコンサート、果てはキッチン(笑)で共演したけど、今だに彼はグレイトだ。

NO.3 Roger McGUINN
Johnny Picks; The Byrds "Fifth Dimension"(1966) / "The Notorious Byrd Brothers"(1968)

このトップ10の中に”エイト・マイルズ・ハイ”なんて凄いレコードを作れる人間はいないね。これは屈指のギター・アルバムさ。見落とされがちだけど、まあ他の僕の好きなプレイヤー同様に口数が多い時はあまり良くないんだけどね。スミスを始めた頃、僕のサウンドはよく彼と比較されたね。トップ・オブ・ザ・ポップスで”ディス・チャーミング・マン”を演った時もマッギンのスタイルを真似ているなんてさ。実際僕は彼のリッケンバッカーを一本所有していたけど、それ自体には何の神秘的パワーなんて無かったよ。調べてみてもピック・アップの下にLSDなんか隠されてなかったしね(笑)。

NO.4 Pete Townshend
Johnny Picks; The Who "My Generation"(1965) / "Thirty Years Of Maximum R&B" (1994)

ピートは言葉のセンスも最高で、本当に素晴らしいよね。彼のプレイを盗みやすいっていうのは、楽曲がいいからさ。何故かって、”アイ・キャント・エクスプレイン”や”アイ・キャン・シー・フォー・マイルズ”での彼のソロはずっとフラッシーでエキサイティングだよね。アートに溢れてて、しかも全くのオリジナルだ。ザ・フーの曲はノン・ストップでファンタスティックなギター曲が沢山あるよ。ピートが多作だった60年代後期から70年代初期にかけて、彼以外の同時期のプレイヤーはみなこの達成者のもとでラリってるように見えたね。彼は曲つくりに関して独自の焦点と次元を持っているんだ。さらに素晴らしいアコースティック・プレイヤーでもある。実はスミスの”ドレイズ・トレイン”はピートのギターで演奏したんだ。

NO.5 Radiohead
Johnny Picks; "OK Computer"(1997) / "Kid A"(2000) / "Amnesiac"(2001)

ジョニー・グリーンウッド、トム・ヨーク、エド・オブライエンを別々に考えるべきじゃないと思うね。彼らは3人一緒で素晴らしく、ステージ上でもどこでも、3人それぞれが生み出すものと相乗効果が面白いのさ。最近の4作品なんかもう創意工夫と努力の賜物であり、これらをテクニック重視で学生監風情のもんだっていう俗評には賛同しかねるよ。僕は彼らのレコードに、ペレ・ウブとかザ・フォールみたいな荒削りで自発的なものを凄く感じるんだ。世間の吹聴や議論なんか無視して、依然でかいバンドであり続けながら最高のギター・アルバムを作って来たんだよ。

NO.6 Jimi Hendrix
Johnny Picks; The Jimi Hendrix Experience "Axis:Bold As Love"(1967) / "Electric Ladyland"(1968)

ジミ・ヘンドリクスを入れないわけにはいかないね。ギターが旋回し燃えるライブ映像は本当に美しい。彼の音は実際小さなディストーションを用いてとても作りこまれている。彼を60年代のありがちな定番に入れてもらっちゃ困るな、そんなもの完全に超越しているんだから。一番いいヘンドリクスの聴き方はまず、マディ・ウォーターズから入り、彼がブルーズ/ソウル・プレイヤーだったと云う事を理解する。そうすると、彼がコスモスに連れ出してくれるんだ。彼はジョン・コルトレーンと同様にその楽器によってスピリチュアルな何かを表現し、何の技術的制限もなく且つ肉体的な限界を超越しようとしていたんだ。

NO.7 Marc Bolan
Johnny Picks; T-Rex "The Slider"(1972) / "The Essential Collection"(1995)

マーク・ボランは僕の最初のヒーローさ。当時友だちの何人かはボウイやミック・ロンスンに夢中だったけど、僕はボランにぞっこんだった。ひと目で忘れられないインパクトがあったし、子供だった僕には初めての音楽的衝撃であり、神のお告げ的なものだったんだ。彼は歌詞に自分のレスポールを登場させるようなギター・フリークだった。演奏もうまくないし、2-3のコードしか弾けないけど誰がそんな事気にするっていうんだい?”テレグラム・サム”は?”ゲット・イット・オン”は?”20thセンチュリー・ボーイ”はどうだい?どれもグレイトで忘れがたく、シンプルだけど手ごわい、そしてリフはハートを直撃するんだ。なによりルックスが滅茶苦茶クールだしね!

NO.8 Keith Richards
Johnny Picks; The Rolling Stones "Through The Past Darkly"(1969) / "Exile On Main Street"(1972)

キース・リチャーズの真実:それは一瞬で彼だとわかり、そして誰にも真似出来ない彼独自のスタイルを確立したってことさ。努力と献身なくしては出来ない事だ。”ギミー・シェルター”はデザート・アイランド・ディスクだと思うし、そこでは彼の編み出したブードゥーが聴けるよ。”ベガーズ・バンケット”から”レット・イット・ブリード”時代はスミス在籍当時、特に影響を受けることはなかった。ある程度歳を取ってから解ったんだけど、まあクルマなに買おうかな〜なんてウロウロするよりストーンズ聴いてる方がよっぽど理想的な青春の費やし方なんじゃないかな。聴き取れる彼の赤裸々な創造的ライフスタイルの追究、それと休養・・・対極にあるものだよね。僕にとってキースは、ほとんど錬金術師に思えるんだ。

NO.9 George Harrison
Johnny Picks; The Beatles "A Hard Day's Night"(1964) / "The White Album"(1968)

ジョージ・ハリスンの何か偉大だったかって云うと、ビートルズの初期ビデオクリップを観ると解るけど彼は愛用のグレッチでヴァースとコーラスの間、時々スイッチをいじったり数種類のピックアップを使い分けたりして音を変化させていて、まるでギターが何かの電気機械みたいだったって事だよ。当時はそんな事ほとんど誰もやらなかったからね。彼のスライドとワウワウ・ギターはとりわけ素晴らしかったから、自分でも真似してみたりしたよ。スミスの曲にもあるかも知れないけど、エレクトロニックの”ゲット・ザ・メッセージ”が成功例かな。今だに好きな曲なんだ。トランペットの後にちょっとだけ、”ウヮー、ワー・ワー・ワー!”って感じでさ。これが僕なりのジョージ・ハリスン型ってわけ。

NO.10 John McGeoch
Johnny Picks; Magazine "Real Life"(1978) / Siouxsie And The Banshees "Juju"(1981)

僕が10代の時、あまり面白いと思える新人ギター・プレイヤーは居なくてね。ジョイ・ディヴィジョンではバーナード・サムナーがいいものを作っていたけど、他にはやっぱりジョン・マクガフだな。ギターやギター文化が衰退して、みんなキーボードやフランジャーの効いたベースなんかにこぞって夢中になっている時期だった。ジョン・マクガフはその中にあって、果敢にもただ一人一貫してギター・ミュージックを革新しようとしていたんだ。いずれにしても解らなければ時代を戻って”オールド・グレイ・ホイッスル・テスト”のフランク・ザッパを観るといいかも。バンシーズの初期シングルはお上品てだけだしね。


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