MAKIO所有のザ・クリブス音源(ジョニー加入後)をご紹介します。モデストマウスでは、アイザックというカリズマの影で自分の持つテクニック全てを注ぎ込んだというジョニーですが、クリブスでは均等な1/4のポジションを手に入れました。残念ながら現在ジョニーは脱退し、クリブスはもとの3兄弟のみのバンドに戻りましたが、残された以下作品は永遠に新鮮さを保ち続ける事でしょう。

Ignore The Ignorant / Sep.4, 2009

We Were Aborted
Cheat On Me
We Share The Same Skies
City Of Bugs
Hari Kari
Last Years Snow
Emasculate Me
Ignore The Ignorant
Save Your Secret
Nothing
Victim Of Mass Production
Stick To Yr Guns

日本盤ボーナストラック
*Is Anybody There
*So Hot Now
*Curse This English Rain
*Cheat On Me(Live)
*We Were Aborted(live)

記念すべき新生クリブスの第一弾アルバム。限定盤には日本語字幕付きのDVDが付属しており、むしろこちらがメインでアルバムがおまけなのではないか・・・いや、それほどまでにこのDVD映像は見どころ満載なのである。内容はごく普通の、LA郊外のスタジオでのレコーディング風景であるが、まっとうに育った素直なご兄弟たちの微笑ましい様子と、いつも通りに厭味で暗黒なジョニーの対比が秀逸で、”えっ、ちょっと待って”とつい巻き戻しを誘う。(ご自身でお確かめ下さい)ジョニーのあのセリフで締めたDVDの監督さんは素晴らしいセンスをお持ちです。また、ライブでは白のジャギュアー一辺倒のジョニーが、レコーディングで各曲どのギターを使用したか等の資料にもなり、例えば"Victim〜”(あの美しいアウトロなど)ではリッケン12弦を弾いていたという事が解る。更にもうひとつ、ライアン監督のサイレント・ムービーが収録されていますが、こちらは楽屋オチといった内容で画質もわざとなのか悪く、編集もド素人まるだし。ただ、ライアンがバイオリンを弾く様や、ジョニーに授けた最優秀ブラザー賞の像を店で買い求める様子、ジョニーが新しいタトゥを入れる様子など細かい描写が巻き戻しを誘わないでもない。エンドクレジットのハミングバード映像はなかなか良いです。

肝心のアルバムの内容は、(ボーカル以外)ライブ録りということで、かなりの一発勝負感を残してはいるが、ジョニー加入でご兄弟が得たものは計り知れない。ジョニーによって、それぞれの潜在能力が引き出され、ヘタッピ感が激減したのである。情緒や空気に多様な変化が生まれ、もともと持っている楽曲の良さにカラフルな彩りや深みが出てきたのであるが、その象徴的な楽曲が”City Of Bugs”である。一方ジョニー自身の変化はというと、普遍的なものに磨かれたサウンドを極限までシンプルに表現する、という基本スタイルは変わっていないが、なにしろ久々にリーダーの居ないバンドで1/4の権利を得たので生き生きとしている。自分のカラーを全面に押し出すことも出来るし、ジョニーの特性であるシンガーを最大限に引き立たせる伴奏も更に磨きが掛かった。やりたいことをやり、云いたいことを云い、そしてジョニー独自の珍奇な素材を盛り込むことに成功(彼が欲していた無垢な破天荒さを手に入れ、最高の素材に情緒と空気感を加味、それに伴う技術の提供)。生き生きしたジョニーを、この生き生きしたレコードが余すところなく伝えてくれるのである。しかし、おまけDVDで彼が言及していた通り、まだまだ様々な課題も残しているのが今後のお楽しみに繋がり、次作への期待も膨らんだものでした。


Ignore The Ignorant (Rose Box Set)

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ランカシャー、ヨークシャー、ポートランド、そしてマンチェスターのみで発売された"Ignore The Ignorant"のローズ・ボックスセット。日本限定盤にも付いてきたDVDと、2009年2月におこなわれたマンチェスターリッツでの二日間の模様(全20曲)を切り貼りして収録したCDが付属している(リッツの音源は他にもジョニー加入後の初期音源としてあちこちに切り売りされている)。特殊な穴あきジャケットはコレクタブルかも知れないが、なんと云っても(切り貼りとはいえ)リッツの音源集が素晴らしく面白い。面白いという表現がおかしく聞こえるかも知れないが、セットを間違えても延々と引きずって行く所など、恥ずかしい(と思われる)シーンをカットせず収録している所にまたご兄弟の誠実さを感じる。新譜発売前(レコーディングの最中?)のライブだが新曲は割とアルバムに忠実に演奏されている。聴き所はなんといっても”Wrong Way To Be”におけるジョニーの亜高速の速弾きだろう。しかしながら、途方もなく輝かしい未来を想像させる希望に満ちた落涙必至の音源集である事は間違いない。


Cheat On Me 7inch / Aug.31, 2009

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アルバム発売前にシングル・カットされた7’アナログ。A面はジョニーのスライドが効果的なCheat On Me、B面はSo Hot Nowが収録されている。黒い盤にスリーブがピンナップになっており、いかした若者ファッションに身を包んだ恰好良いご兄弟と、毒蜘蛛か海ヘビのようなカーディガンを着た伏し目がちなジョニーが並んでいる。ギャリーのリード・ボーカルであるから彼のペンによるものだろう。ジョニーの弾くギターはボーカルラインに付かず離れず、エレクトロニック後期を思わせる。ギャリーと一緒に歌っているつもりが、またしてもジョニーのギターの旋律を歌っていた・・・

 


Cheat On Me 7inch (Clear Vinyl)

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透明仕様盤7インチ。"Cheat On Me”と"We Were Aborted"のライブ(リッツ)が収録されている。日本盤ボーナストラックにも収録されているリッツのアボーテドは、ライアンの異常な震えで笑いを禁じ得ない。ちなみに、他の曲は全く持って震えていない。

 


Cheat On Me

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こちらはCD盤。"Cheat On Me"と"日本盤ボーナストラックの”Curse This English Rain"を収録。一連のマッチョなアートワークは、私にはとても趣味が良いとは思えず現在に至っています。

 


We Share The Same Skies 7inchi / Nov.9, 2009

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7'アナログシングル。A面は"We Share The Same Skies"、B面は"City Of Bugs"のライブ音源が収録されている。ジャケットは世界地図だがロシア、中国、特アが真ん中に隠れている。

 


We Share The Same Skies Promo CD

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WichitaのサンプルプロモCD。"We Share The Same Skies”のレディオエディットとノーマルヴァージョン収録だが、時間は8秒くらいしか変わらずあまり意味のないラヂヲエディットである。

 


So Hot Now 7inch (The Cribs & The Thermals Split Single) / Apr.17,2010

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2010年の世界レコード・ストア・デイ用にリリースされたサーマルズとのスプリット7インチアナログ。クリブスは”So Hot Now”(通常バージョン)、サーマルズは”Separate”収録。Kill Rock Starsというレーベルが出している。余談だが、 ソーホットナウはハードなナンバーで、ボーナスには似つかわしくない、私がいの一番に気に入った曲である。堂々アルバム収録のとある曲と入れ替えたら良いと思った。

 


Housewife 7inch / Aug.23,2010

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長きに渡るツアーで鍛え抜かれた強靱な4人組クリブスが突然リリースした限定盤7インチシングル。キーボード満載のキャッチー且つタフなれっきとしたサイケナンバーで、ライアンが主婦のペソスを淡々と歌い上げ、PVでのメンバーは全員ゴスメイク。B面はなにも収録されていない。ちなみにジャケ写の奥様方は云わずと知れたライアン&ギャリー兄弟である。このかわゆさならば旦那様は早々に帰宅するはずであろう。

 

HOME   WORKS  THE CRIBS LIVE IN JAPAN REPORT  ダワ文無断掲載

May 3rd, 2010 (ver.1.0) / Sep.22, 2010 (housewife追記)