JOHNNY MARR TECHNICAL NOTES

■ THE SMITHS

This Charming Man

”ディス・チャーミング・マン”はハイライフ・サウンド風の3度ハモリの一連プレイを初めてやってみたレコードだ。F#までチューニングを上げ、Gを押さえるから出る音はAになる。この曲のギター・トラックは15ぐらいあるんだよ。皆、メイン・ギター・パートはリッケンバッカーだと思っているが、あれは54年のテレキャスターだ。アコースティック・ギターが3トラック、うんと長いリバーブのかかったバックワード・トラックがひとつ、コーラスの終わりにはナイフをギターに落とした効果音のトラックまである。(Guitar Magazine 90 Apr.)

What Difference Does It Make?

”ホワット・ア・ディファレンス・ダズ・イット・メイク”では赤いES-355。あの曲をTVやビデオでやるときはES-295、スコティ・ムーアをメイン・ギターにするんだよ。2フレットにカポをつけて、Aの形で弾いてBのキーにしてるんだ。(Guitar Magazine 89 May)

How Soon Is Now?

”ハウ・スーン・イズ・ナウ”はF#チューニングだ。スワンプ風のサウンドで、モダンなバイユー・ソングにしたかった。ストレートなEのリフにオープンGとF#m7が続く。コーラス・ギターはオープンB,A,Dの形で高音部の2本の弦を響かせる。ビブラート・サウンドは凄く良く出来たが、これにはかなり時間がかかった。そのリズム・トラックはエピフォン・カジノをフェンダー・ツイン・リバーブに通してアンプのビブラートを使わずに録った。それからそのトラックをプレイバックして、4台のオールド・ツイン・リバーブに通し、左右を二台ずつに分けた。トラックの音と4台のアンプのビブラートのタイミングを合わせる為に、トラックを止めたりスタートさせたりを繰り返さねばならなかった。このサウンドは信じられないくらいエゴイスティックに聴こえるかも知れないが、このイントロは”いとしのレイラ”くらい強力なものにしたかったんだ。クラブやパブでかかるとすぐに皆がこの曲だとわかるようにね。この曲は僕がやった曲の中でも、すぐそれとわかるもののひとつで、多くの人が僕にこの曲について質問をする。でも、スライドをどうやったか思い出せないんだ。書き留めておかないのは悪い癖のひとつでね。スライドでは3つのパッセージにハーモナイザーをかけている。6度とか変な音程にセットしていたな。パッセージごとにハーモナイズが異なっていた。ハーモニックスになているラインではギターをチューニングし直し、全てが12フレットのナチュラル・ハーモニックスでプレイ出来るようにした。何回か重ねてもいる。(Guitar Magazine 90 Apr.)

Bigmouth Strikes Again

”ビッグマウス・ストライクス・アゲイン”は僕なりの”ジャンピン・ジャック・フラッシュ”を書こうとして出来た曲だ。間奏の8小節を除いては、曲全体を突き進むような何かが欲しかった。僕は間奏のギター・ブレイクは、あまり小奇麗だったりコード主体ではなく、パーカッシブにするべきだと考えた。チープなレス・ポールみたいなサウンドにしたかったんだ。メイン・リフは4フレットにカポをつけて、Amの形をもとにプレイしている。ここぞという所にちょっとしたギター・パートを埋め込んでいて、それがメイン・パートの倍音として鳴っている様に聴こえるけど、実際に鳴らしている音だよ。ふたつあるギター・ブレイクのうち最初の方ではAMSのハーモナイザーを使って、うんと高いポジションでスライドを弾いた。2番目のはギブソン・ブラック・ビューティとリッケンバッカーでレギュラーEmの形でプレイしたものをサンプリングした。それをスネア・ドラムのロールでトリガーしている。バック・ボーカルのクレジットは”Ann Coats”になってるけど、あれはジョーク。マンチェスターにある地名なんだ。あれはテープの回転スピードを上げて再生したモリッシーの声なんだよ。(Guitar Magazine 90 Apr.)

(DL数量限定マキヲからのおまけ:米ギター誌90年7月号”Bigmouth Strikes Again"(ベースライン含む)スコア&インタビューダウンロード/pass:birkenstock)

The Queen Is Dead

"ザ・クイーン・イズ・デッド"のリズム・トラックを録音し終えて、ギターをスタンドに立てたままにしてたんだ。そしたらワウ・ペダルが偶然に半開きになっててギターを置いたのがきっかけで、あるハーモニーが生まれたんだよ。その時、俺達は卓に戻ってリズム・トラックを再生してたんだけど、俺にはこのハーモニーが、まるでむせび泣くように聴こえたね。だから俺は、ブースに忍び足で入って行って、ワウを全開にする間にレコーダーにテープを戻したのさ。”お願いだ、死ぬな!死ぬなよ!”って祈る気持ちでね。結局、ハーモニーの命を存続できた。あれは最高のアクシデントだったね。(Guitar magazine 97 Jun.)

Cemetry Gates

オープンGのチューニングで弾いている。あの曲は、僕たちがラフ・トレードと契約してまもなく、凄い新人ソングライターと言われた頃に作った曲なんだ。「そんなに僕たちが優れたソングライターなら、朝一番に起きてする事は作曲だ」と思ってね。僕はオープンGのチューニングにして、Bmへコード・チェンジするという流れを作ってみたんだ。(Guitar Magazine 89 May)

Ask

”アスク”ではクレイグ・ギャノン(スミス後期に在籍した2ndギタリスト)と僕はマーティンのアコースティックを弾いている。G-Am-C-Dの進行を僕がリッケンバッカー330で弾いている。ハイライフ風のパートは63年のストラトだ。それにGのキーのハーモニカをウーレイ・ブーム・ボックスに通してその場で適当に入れてみた。70年代初期のアウトボード・ギアで、ギターにも良く使った。ハイ・ファイ・ステレオの下品なラウドネス・スイッチみたいなもので、位相が微妙にずれるがボトムの強い密度の高いサウンドになるんだ。大きなクローム・メッキの箱で、”Intensity”のツマミがひとつついているだけ。読者で誰かこれについて教えてくれる人はいないかな。(Guitar Magazine 90 Apr.)

The Headmaster Ritual

”ミート・イズ・マーダー”で大勝利を収めたのは”ヘッドマスター・リチュアル”だ。間違いなくアルバムで最高のギターだ。ボーカルも最高だと僕は思う。この曲はアコースティック・ギターで作曲した。オープンDチューニングにして、2フレットにカポをつけている。ジョニ・ミッチェルがよく使う妙なチューニングを頭に描き、実際の進行は彼女がMC5のファンかパンク・ロッカーだったら、こうなるんじゃないかという感じだ。始めからそれぞれのギター・トラックがどのようなものになるか、はっきりとわかっていた。マーティンD-28のトラックがふたつに、リッケンバッカーで弾いているメインのトラックがふたつある。似てるかもしれないけど、特にビートルズの”デイ・トリッパー”のことを考えていたわけじゃないよ。でも、あのリフはまさにジョージ・ハリスンのパートだと考えていたよ。そのリッケンバッカーはロキシー・ミュージックのフィル・マンザネラのものだった。もともとはロジャー・マッギンのものだったらしいけどね。ギターはひとつを除いて全てオープン・チューニングだ。コーラス・ギターのひとつでエピフォンを使っている。ナッシュビル・チューニング(低音弦4本にゲージの細い弦を張り、1オクターブ高くチューニングする方法)にして、2フレットにカポをつけているんだ。(Guitar Magazine 90 Apr.)

Shoplifters Of The World Unite

僕はよく 2フレットにカポをつける。例えば”ショップリフターズ”でも2フレットにカポをつけてDの指の形でプレイしてるから、出る音はEのキーになる。(Guitar Magazine 89 May)

■ ELECTRONIC

Getting Away With It

バーナードがヴァースを書き、僕がコーラス・パート全体とベース、キーボード、ストリングス・パートを書いた。僕は、これでよし、と思っていたら、ニールが、ギターはどこだ?と言って来た。これにはギターはいらないよ、と僕は言ったが、彼がどうしてもやれと言うんで、クラシックかアコースティックのちょっとしたソロを入れたらいいだろうと考えた。これが実にうまくいったので、彼が言い出してくれて良かったと思ってるよ。(Guitar Magazine 90 Apr.)

Album"Twisted Tenderness"

64年製のギブソンSGと59年製のレス・ポール、それからギブソンES-330、グレッチ6120を弾いた。アコースティックはマーティンD-42、それからD-28の12弦。それぐらいかな。僕にしては少ない方だよ。以前は一曲を録音するのに何本も弾いたりしたけど、最近は1-2本をメインにしてる。今のメインはSGだよ。ただ、出したい音によっていろんなアンプを使ってる。マッチレスのDC/30、60年代のフェンダー・デラックス、ハイワットの20Wコンボ、63年製のアンペグ・スーパー・エコー、フェンダー・コンサート・アンプ・・・他にもいくつか使った。ギターを変えずともアンプを変えることでかなりサウンドに幅が生まれるからね。 (Guitar Magazine 99 May)

■ THE THE

(Guitar Player 90 Jan.)

■ OTHERS

Talking Head "Cool Water"

デヴィッド(・バーン)が、何となくアラビア風のドローン・サウンドをやってくれ、と言った。そこで、12弦セミ・アコースティック・ギターを耳を頼りにドローンらしくチューニングして、どんなコードかわからないがそれでスライドを弾いた。自分が何をやっているかわからないのに、たまたま新しいコード・シェイプとメロディが出来てとても面白いものになった。従来のチューニングからは生まれないようなものがね。偶然性の高いオーバー・タブなんかだとこれはとてもいい。(Guitar Magazine 90 Apr.)

Bryan Ferry "The Right Stuff"

(Bate Noire) (Guitar Player 90 Jan.)

■ The Healers

(変則チューニングについて)
”InBetweens"はオープンD、”Down On THe Corner”はDADGAD、”Something To Shout About”でもチューニングを変えてる。
(使用機材について)
ギター:メインは63年製ギブソンSGと63年製ギブソンES-335だ。アコギは72年製と75年製のマーティンD-35、75年製のD-42。それと62年製(注:63年の間違い)のリッケンバッカー12弦、グレッチ6120も少し使ったし、57年製ゴールドトップも使った。
アンプ:68年製ブラック・フェイスのフェンダー・デラックス・リバーブがメインだ。あと60年代のベースマン、マッチレスDC-30、80年代のVOX-AC30トップ・ブーストも使った
エフェクター:ロジャー・メイヤーのヴードゥー・ヴァイブや、ラヴ・トーンというブランドのものも使ったよ。ラヴ・トーンは凄くいいよ!リング・モジュレーター系のドッペルゲンガーというモデルが特にいい。あとはアイバニーズのチューブ・スクリーマー、ディレイやリバーブはソニー製GP5だね。(以上Guitar Magazine 03/Feb)

■ GEAR

使用機材、クリア・スタジオ機材についてはギター・プレイヤー90年1月号が一番詳しいようです。

おまけ:スミスtabダウンロードお役立ちサイト&スミス・シングル・コレクション
ジョニー選出TOP10ギタープレイヤーはこちらです。



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